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2020.08.19

色の話

働き手にとって問題がある会社を「ブラック企業」と言うことに異論が出ていると言う新聞の記事がありました。

意図はなくても人種差別を助長しかねないとの指摘です。

普段何の疑問も抱かず使っている「ブラックリスト」も同じ類かもしれません。

ブラックを使わないとすれば「問題企業」「問題リスト」です。

こういう敏感な部分も知っておく必要があるなと思いました。

色鉛筆や絵の具から「肌色」という呼称が消えたように、グローバル化の中で洗礼を受けていくのかもしれません。

我々は物事の決着をつけるときに白黒をつけると言ったり、どちらとも言い難いあいまいゾーンをグレーゾーンと表現します。

腹黒いといっても人種差別には無縁の表現です。

政治的、社会的問題はさて置いて、こうした色に対して持ってしまったイメージは、なかなか拭い去ることができません。

魔法にかかったようなものですが、昔聞いたことのある「朱竹」と言うお話がハタと魔法解いてくれました。

▪️宋の詩人で竹好きな蘇東坡(そとうば)が、あるとき墨竹画を依頼されました。

しかし描こうとした時にあいにく墨がなかったので、手元の朱墨で竹を描き与えると、

依頼主は「世の中に朱い竹なんてあるものか?」と不満気に言いました。

それを受けて蘇東坡も「世の中に黒い竹なんてあるものか!」と言い返しました。

依頼主はしぶしぶ持ち帰ります。

▪️はたと、黒い竹に何の疑問も持たなかった自分に気付きました。

▪️思い込みから解放されると、別の姿が見えてくる気がします。

image0 (4).jpeg(お話自体は、その後依頼主の家に次々と吉事が起こったので、人々は朱竹をねだり、皆幸運に恵まれたと言うお話です。)